2013-04-20

「ヒッチコック」(2012)

Hitchcock 『北北西に進路を取れ』で大成功を収めたアルフレッド・ヒッチコック監督が意欲的な次回作『サイコ』を完成させるまでの物語。なんだけど、同時にヒッチコックの妻であり、助監督・脚本家・編集技師でもあったアルマ・レヴィルとの絆をじっくりと描いている。

今作、どのあたりまで事実に基いているんだろうか。アルマは『サイコ』ヒロインを冒頭の30分で殺すように夫にアドバイスし、その夫が心労のため高熱で倒れてしまうと、現場におもむき撮影の陣頭指揮をとるのである。ヒッチコックのファンにとっては知られたエピソードなのかもしれないけど、個人的に驚かされたのはアルマの内助の功でありました。ヒッチコックが己の容姿にコンプレックスを抱いていて、ブロンド美女に執着していたというのはどこかで読んだ記憶があるけれど、他にも嫉妬深く、のぞきが趣味で死体にも興味があり、『サイコ』のモデルとなった実在の殺人犯エド・ゲインにもなにやらシンパシーを感じてしまう御仁だったようで、彼のちょっととぼけた風貌の中に隠された倒錯した欲望を知ることができて、なんだか観ていて口許がゆるんでしまいましたね。

それにしても、ヒッチコックほどの巨匠でも、新作映画のために自宅を抵当にいれなければならなかったとは。そこまでしても撮る。撮らなければならない。つくづく映画とは、アーティストがまさに骨身を削って創りあげる芸術娯楽作品なんですね。

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2013-04-03

Jess Franco passed away(1930-2013)

Rest in Peace.

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2013-03-30

TURN IT OVER - THE TONY WILLIAMS LIFETIME

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1963年に17歳の若さでマイルス・デイヴィスのクインテットに参加した天才ジャズ・ドラマー、トニー・ウィリアムス。彼が69年、当時のシーンに革命を起こしていたロック・ミュージックに大きく接近した音楽を創造するために自身のバンド、トニー・ウィリアムス・ライフタイムを結成し、70年に発表したセカンド・アルバム。…これがちょっと、いやおおいにタダモノではないのです!

Tony_williams 本作、元クリームのジャック・ブルースがベースを担当してまして、そのためブリティッシュ・ロックのにおいがとても強くなっています。そのためラリー・ヤングのオルガン・プレイにキース・エマーソンを連想する人も少なくないハズ。アルバム全編を通し、火がついたように暴れまわるウィリアムスのバスドラドカドカ、シンバル鳴りっぱなしのドラム&ジョン・マクラフリンのディストーションギターは前作『EMERGENCY!』同様のやかましさ。これはもう、プログレッシブ・ロックですね。緊張と混沌、キング・クリムゾンの『RED』の世界ですよ。

暗黒に染まったジャケットを裏返すと「PLAY IT LOUD. PLAY IT VERY VERY LOUD.」のメッセージが…。名盤です。

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2013-03-10

Alvin Lee passed away(1944-2013)

このブログのタイトル「夜明けのない朝」は、アルヴィン・リーのバンド、Ten Years Afterのアルバム・タイトルが由来です。
Rest in Peace.

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2013-03-04

「レッド・ライト」(2012)

Red_lights はたして心霊現象・超能力は実在するのか。30年ぶりに表舞台に姿を現した伝説の超能力者、サイモン・シルバーは詐欺師なのか、それとも…。予知・透視・テレパシー。今作、そういった超常現象を真っ向から否定していく物理学者チームの地道な活躍が描かれる。好演するのはキリアン・マーフィーとシガーニー・ウィーバー。それにしても、騙す側もよくもこれだけ知恵をしぼって数々のトリックを編みだすよなぁ、と心で唸ってしまう。超能力はビジネスになり、大金を生むからなんですね。エセ超能力が科学で暴かれる様を観て、知的好奇心を刺激されながら、それと同時に、人智を超えた力にすがってしまう人間の心の弱さも見せつけられる。スペイン人のロドリゴ・コルテス監督の演出はどこか陰鬱で、今作のテーマとじつに相性がいいです。

でも、いちばんの見ものはシルバーを演じるロバート・デ・ニーロなんだよなぁ。指でスプーンを曲げてみせる、空中浮遊を披露する。そんなデ・ニーロ観たことない! つまるところ、映画ってさぁ、CGとか衝撃のラストとかなんかより、役者の妙なんじゃないですか? 盲目の、得体の知れない初老の超能力者。もう観てるこっちはウキウキしっぱなし。名優、というより「芸能人」ロバート・デ・ニーロを堪能できて、大満足なのでありました。

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2013-02-17

「アウトロー」(2012)

Jack_reacher やっぱり今年の冬も寒さはきびしく、ニュースでも身の回りでも景気のいい話はあまり聞かれず、地震がまた増えてきて不気味だよなぁ、なんて思っていたら、ロシアにまさかの隕石落下! そんな時代の大衆のこころに潤いを与えてくれるのはやはりエンターテインメントですよね。

トム・クルーズ。尊敬してます。ハリウッドにスター俳優は数多くいるけれど、「スーパースター」と呼べるひとって誰よ、と考えてまっさきに思い浮かぶのは、やっぱりこの人だよなぁ。SFだろうが、アクションだろうが、失敗作だろうが、クルーズが主演するならそれはもう「トム・クルーズ映画」というジャンルとして讃えるべきではないだろうか(それはかつてのA・シュワルツェネッガーにも当てはまると思う)。映画の冒頭、ピッツバーグで無差別射殺事件が発生! 犯人は逮捕されるけども、事件の真相と真犯人をたやすくスルスルと解き明かしてしまうのがクルーズ演じるジャック・リーチャー。格闘も銃撃戦もお手の物なのは、かつて陸軍の秘密捜査官という経歴の持ち主だからなのだが、住所もIDも持ってないって理由で「アウトロー」という無法者を連想させる邦題をつけるのって少しズレてないか?

敵役に「俺がヒーローだって?」なんて凄んだりして、スーパースター、トム・クルーズの新境地となるらしい今作。渋くきめて、観客にヘンな媚は売らないぞということなのか、お約束の全力疾走は披露してくださいませんでした。

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2013-02-09

「殺しが静かにやって来る」Blu-ray 発売中

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セルジオ・コルブッチ監督による大傑作マカロニウエスタン『殺しが静かにやって来る』ブルーレイ、好評発売中です! 僕がブックレットのイラストを担当させていただきました。

The_great_silence_cover_2 今回、はじめて日本語吹き替えで鑑賞しましたが、クラウス・キンスキー扮する賞金稼ぎ・ロコのいやらしさ、冷血っぷりがダイレクトに伝わってきて、これまた素晴らしい。舞台となるユタ州・スノーヒルの大雪原も高画質でよみがえり、ある意味、この寒い季節に観るのがベターかもしれません(観終わった後、身体が冷えきってやけ酒飲みたくなるかもしれませんがw)。
特典映像の幻のエンディングに音声が初収録されています。アメリカ公開用に撮り足されたらしいですが、それまで積み上げてきた作品の世界観を木っ端微塵にするような面白さ。ファン必見です。異色ウエスタンの金字塔として名高い本作ですが、すでにご覧になったことがある方もそうでない方も、イタリア製西部劇研究家・蔵臼金助さんのまとめツイートを読むと、より理解が深まると思います。→(togetter

The_great_silence_booklet_2 そして初回特典の特製ブックレット、もちろん詳細な解説やキャスト紹介のみならず、書きおろしコラムや、これまた僕がイラストを担当させていただいたファッション・チェックなどなど豪華盛りだくさんな内容ですので、ぜひお買い求めください。撃ち尽くせ、BASTARDO(クソ野郎)!!

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